映画「姑獲鳥の夏」
結論。「はしょりすぎ」。
これ、原作未読の人が観てわかるのかなぁ。動機にせよ仕掛けにせよ、あんな描写だけでわかるとは思えないです。
特に、関口の事件とのかかわり方。そもそもあの物語は、終始関口の一人称視点で描写されるからこそ成り立っているものだと思うんですよね。それが映画では、関口を含めた登場人物を外部から撮影するという表現手段の制限上、どうしても三人称的な描写にならざるを得ない。
その上さらに、(関口の一人称だったからこそ微に入り細に入り描けた)関口の過去描写をさらっと流してしまっているので、彼が事件のキイパーソンなのだとはとても思えないストーリー展開になってしまった感があります。「それは君にしかできないことだ」という京極堂の台詞も意味が通じないし、「僕は何もできなかった、何の役にも立たなかった」という関口のつぶやきに「いやまったくその通り」と突っ込んでしまいました(^^;)
実相寺監督ならもっとすごい事やってくれると思ってたんだけど、あれじゃ原作をなぞるのが精一杯という感じですね。期待しすぎたのかなぁ。
キャスティングは、阿部ちゃん榎木津(いいぞもっとやれ)でプラス、堤さん京極堂でマイナス(早口なわりに滑舌悪いんだもん)で差し引きゼロ。まあ、この辺は個人の好みもあるんで聞き流してください。でも一番印象に残ったのは、京極堂でも榎木津でも関口でもヒロインでもなく、ヒロインの母親役のいしだあゆみでした。こっ、怖すぎる。
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