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2004.05.12

安倍晴明風に名無しさんを憂う

「晴明よ、おれはまたわからなくなってしまったよ」
「何がわからぬ」
「おまえはいつも言っているではないか。名とはいちばん短い呪だと。ならば、名が無いということは、呪にしばられていないということではないのか?」
「そうとも限らぬさ。例えば、おれが京の大路の壁に、帝の悪口でも書き散らしたとしよう」
「おい、またおまえはそのような───」
「まあそう言うな、例えばの話だ。とは言え、役人にでも捕まってはたまらぬから、本当の名前など書けぬ。仮の名を書くか、名無しのままにするか、ともかく自分の名前は隠しておくだろう」
「ふん」
「それを見た、帝に不満を抱いているものが、やはり名無しで帝の悪口を書く。さらに他のものが、やはり名無しで、今度は別の───そうさな、つれない女の悪口でも書く。そうやって、名無しで誰かの悪口を書くものがどんどん増えてゆく」
「むむ」
「それを見た心あるものは、こう思うだろう。名無しの人間が書くことは、つまらぬ悪口ばかりで、読むに値せぬと」
「───」
「そうとなれば、書かれた内容にどんな価値があろうとも───すぐれた歌であろうがまつりごとの献策であろうが、名無しで書かれる限り、それが価値あるものとしてかえりみられることはなくなる。名無しのつまらぬ悪口という呪に縛られてしまったのさ」
「むむ、わかるようなわからぬような───」
「まあ、名無しもまた名、ということだな。晴明という男の言うことはどうも小難しくてわけがわからぬとか、博雅という男の吹く笛は実に素晴らしいとか、そうしたこととまったく変わりはないのさ」
「しかしそれでは、名前が変わったり、名前が無かったりするだけで、まるきり違う人間になってしまいはしないか」
「それが縛られているということさ。変わってしまうのが嫌ならば、縛られねばよい」
「そんなことができるのか」
「できるとも。現におれは、博雅という名であろうがただの名無しであろうが、おまえが優しい漢だということをよく知っている」
「ばか、なにをいっている」

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 すいません、元ネタわからないとあんまり面白くないかも(^^;)。

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