週刊!木村剛: 匿名の人はコミュニティを壊す権利を持っているのか?[BLOG of the Week]
噂のゴーログに初トラックバックです。どきどき。
週刊!木村剛: 匿名の人はコミュニティを壊す権利を持っているのか?[BLOG of the Week]
そこで、私は皆さんにお聞きしたいんです。 匿名性というセーフティネットの中で許される言論の自由とは如何なるものであるべきなのか、あるいは、匿名の方はコミュニティを壊す権利を持っているのか、などについて、トラックバックをお待ちしています。
「権利がある」って、果たしてどういう状態を言うんでしょうね。「何をやってもいいよ、ただしコミュニティの益に反することをしたら、それなりのおとがめは覚悟しなさいよ」なのか、「何をやってもいいよ、おとがめなしだよ」なのか。前者だとしたら、極端な話、殺人を犯す権利だってあるということになってしまいます。
木村氏や津村氏が匿名性をセーフティネットだと言うのはおそらく、匿名性が「おとがめ」を回避する手段になり得ると考えているからだと思います。が、本当にそうなんでしょうか。
asahi.com : ネットに爆破予告の書き込み、容疑で通信記録差し押さえ
公安部は「2ちゃんねる」の管理人から発信源などの情報を得て、発信者が使ったプロバイダーを割り出し通信記録を差し押さえた。発信者は、札幌市の電器店で体験キャンペーン用の端末から爆破予告を書き込んでいたことが判明。公安部は店内での目撃証言などから、発信者の特定を進めている。
匿名で発信があったとしても、その発信者を割り出すことは、必ずしも不可能ではない。実名主義の人はよく「固定ハンドルがあっても、それは好きなときに切り捨てることができるから」と言われますが、たとえその人がそれ以降そのハンドルを使わなかったとしても、ある時点である人があるハンドルを(「名無しさん」含め)名乗って書き込みを行ったという事実は、厳然としてそこに存在し、決して無かったことにはできないのです。
匿名……というより非実名(固定ハンドル使用)の人たちは、そのあたりのことをよくわかっていて、実名を出さないと言う選択をしているように思えます(少なくとも私はそうです)。その気になれば、誰が目の前のコメントを書いたのかは突き止めることができる。匿名はそれをわずかに引き伸ばす手段にすぎないと分かっていてなお、そのわずかな部分に安心を求めてしまう。
一方、実名を名乗り、また相手にもそれを求める人たちは、相手が実名を名乗らない限り、発信者の特定は不可能に近く、そのため相手の責任を最後まで追及することもまた不可能だと信じているのではないでしょうか。
実名を出さなかったとしても、それは自分が責任を問われずにすむ時間を多少引き延ばしたり、責任を問われる範囲を多少限定しただけにすぎず、結局のところ自分の書き記した内容から逃れるすべはないということ。それは裏返せば、実名を出したからと言って、無条件に信頼しうるものではないという意味でもあります。
Books BY 麻弥: 【「実名」と「筆名」と「匿名」と。その1】
私自身は、その人がどういう価値観の持ち主だかわからない人は、たとえ実名を名乗られていても警戒してしまいます。逆に怪しいハンドルでも、その人が自分のサイトを持っていて、その人の表現したものを通じてその人の価値観や内面が伺えると、一度も会ったことのない相手でも心を許してしまうこともあります。
この、麻弥さんの日記に、私はとても共感します。実名であろうがハンドルであろうが名無しさんであろうが、その人自身の個性、価値観、本質とは無関係なのではないでしょうか(その人が実名を選ぶのか匿名を選ぶのか、ということ自体はその人の個性の一部ではありますが)。
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